マンスリーレポート(2025年10月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
10月の日経平均は、主に人工知能(AI)市場への期待に伴う特定のハイテク銘柄の急騰、及び自民党総裁選で高市議員が新総裁に選出されたことによる積極財政政策への期待により、下旬に一気に大台の50,000円を突破し、月間では過去最大の上昇幅、過去2番目の上昇率を記録した。
序盤は、初日こそ国内機関投資家の下期・四半期入りに伴う売りで下落したものの、その後、米国のAI市場への楽観、及び利下げ期待を背景に上昇に転じ、4日(土)に自民党総裁選で高市議員が新総裁に選出されると、財政拡張的な政策への期待から、週明けの7日(月)には、為替市場での急速な円安も相まって、株価は48,000円近辺まで一気に2,000円以上急騰した。
中盤においては、トランプ米大統領が対中関税を100%上乗せすると自身のSNS上で公表したことによる米中貿易摩擦懸念、及び公明党が自民党との連立政権から離脱したことによる国内政局の不透明感の増大により14日(火)には46,000円台まで株価は下落した。
しかしその後から月末にかけては、米大統領の中国に対する態度の軟化、AI市場の成長期待に伴うハイテク・半導体銘柄の急騰といった海外プラス要因と、自民党と日本維新の会の連立政権樹立による政局不透明感の解消、日銀会合後の植田総裁の年内利上げに関する消極的な発言による為替市場での円安加速といった国内プラス要因が相まって、27日(月)に一気に株価は大台の50,000円を突破すると、その後も上がり続け、最終的に10月は52,400円台で終えた。月次でみると日経平均は+16.6%、TOPIXは+6.2%上昇した。特に日経平均への寄与度が大きいAI銘柄に極端な買いが集中したため、2000年以降において、月間上昇率、及びTOPIXとの月間乖離率が共に最大となった。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
10/11、米大統領は、11月から対中100%追加関税を発表したが、一転10/13には貿易摩擦緩和に向けた交渉に前向きな姿勢を示しました。国内では、公明党の連立離脱により政局が不透明化する中、10/16に日本維新の会が自民党と連立協議を開始しました。また同日、TSMCはAI需要の堅調を背景に、2025年通期売上高見通しを上方修正しました。為替市場では、上記期間、1ドル=150円超の円安が継続しました。これらを踏まえ、10/13から10/16にかけて、ファンドポジションについて、売りを維持し、レバレッジを0.75倍から0.60倍に縮小しました1。
10/20~10/23に開催された中国共産党四中全会では、不動産不況や雇用停滞など構造問題への具体策は示されませんでした。10/24夜、ユーロ圏総合購買担当者指数は17カ月ぶりの高水準となったものの、ドイツは好調、フランスは低調と地域差が見られました。また同日公表の米消費者物価指数の伸びは予想を下回り、利下げ期待が高まりました。10/27、米財務長官は、対中100%追加関税が回避されると表明しました。これらの事象等を踏まえ、10/27から10/28にかけて、ファンドポジションについて、売りを維持し、レバレッジを0.60倍から0.55倍に縮小しました2 。更に10/30から10/31にかけて、日本銀行の早期利上げ観測後退等により、ファンドポジションのレバレッジを0.55倍から0.11倍に縮小しました。
結果として月次トータル・リターンは▲9.29%となりました。当月はマクロの観点から売りのレバレッジを段階的に縮小してきましたが、日経平均への寄与度の大きいAI関連銘柄に対する極端かつハイペースな買いの集中による日経平均のみの突出した上昇の影響を受ける形となりました。11月以降、本格化する企業決算や経済対策の具体的内容を注視しながら、引き続き中長期的に安定したリターン獲得を念頭に運用を行っていく所存です。
1 株価リターンモデルのシグナルは"やや弱い売り"(売り確度は低下)、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より割高であった。
2 株価リターンモデルのシグナルは"やや弱い売り"(売り確度は低下)、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より割高であった。

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