マンスリーレポート(2025年3月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
3月の日経平均は、2月と同様に米トランプ大統領の関税政策に対する楽観的、悲観的見解により大きく上下したものの、月末に米国が来月導入する相互関税が全世界の国・地域が対象となると伝わると下落し、月間では大きな下落となった。
序盤は、米国長期金利低下による株式割安感と日経平均の自律反発による買いから大幅高で始まったが、以降は、米国によるカナダ・メキシコからの輸入品への25%関税、中国からの輸入品への10%追加関税の発動等のマイナス要因と、米大統領がカナダ・メキシコに対する関税に関連し、北米製自動車についての関税導入を30日間延期検討との報道のプラス要因が拮抗した。
3/7(金)以降は、米国の関税政策を巡る不透明感や、米大統領が、関税政策による米国景気後退への影響の言及を避けたことによる、米経済の景気後退懸念の増大等の海外マイナス要因と、国内総生産(GDP)の下方修正、国内1月家計調査での低調な消費等の国内マイナス要因も相まって株価は下落し36,000円台を推移した。
中盤から終盤にかけては、日本株の割安感、著名投資家バフェット氏の日本商社株の買い増し判明等の国内プラス要因と、米連邦公開市場委員会(FOMC)での、パウエルFRB議長の関税に伴うインフレ率上昇は“一過性”のものになるとの楽観的な発言、米政権が自動車など特定の産業を対象とした関税について4/2(水)予定の発表を見送る方向との報道等の海外プラス要因により、3/26(水)に38,000円台まで上昇した。
しかし月末においては、3/27(木)早朝に、米大統領が、輸入自動車に対して25%の追加関税をかけると発表すると一転下げに転じ、その後の米主要指標(2月PCE価格指数、ミシガン大3月消費調査)の低調な結果からの米国成長鈍化とインフレ懸念の高まりや、3/31(月)日中に、米大統領が4/2(水)に公表する相互関税の対象について、全世界の国・地域が対象になると述べたと伝わると、更に下げは加速した。
最終的に3月は35,600円台で終えた。月次でみると日経平均は▲4.1%、TOPIXは▲0.9%下落した。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
月初に発表された中国の2月の製造業購買担当者景気指数は、市場予想を上回り、景況拡大・縮小の分かれ目とされる50を超えました。また3/4(火)、米国は、中国からの輸入品に対して、2/4(火)から適用していた10%の追加関税を20%まで引き上げる措置を発動しました。これに対して同日、中国は、報復措置として、米国産の農産物や食品など210億ドル相当に10%~15%の追加関税を課すことを発表しました。また同日、外国為替市場では、1ドル=150円台から一時1ドル=148円台前半(年初来の円高更新)まで円高・ドル安が進行しました。上記事象等を踏まえ、3/4から3/5にかけて、ファンドポジションについて、買い(ロング)を維持し、レバレッジを1倍から0.375倍に縮小しました1。
その後、3/10(月)週以降、欧州企業の2025年3月期の対前年の利益成長は、前期から減速する見通しが高まりました。また3/20(木)未明、米連邦準備制度理事会(FRB)は、FOMCにおいて、政策金利の据え置き及び4月から米国債のランオフ(償還に伴う保有証券削減)ペースの上限を月間250億ドルから50億ドルに減額することを決定しました。上記事象等を踏まえ、3/19夜間から3/21にかけて、ファンドポジションについて、買い(ロング)から売り(ショート)に変更し、レバレッジを0.375倍から0.25倍に縮小しました2。
結果として、月次トータル・リターンは+1.66%となりました。
1 株価リターンモデルのシグナルで"やや弱い買い"を確認し、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より低い水準であった。
2 株価リターンモデルのシグナルで"売り"を確認し、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より低い水準であった。

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