マンスリーレポート(2025年1月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
1月の日経平均は、日本・米国・EUの金融政策会合の結果は概ね市場予想通りで、あまり影響を受けなかったが、一方でAI(人工知能)業界に関する、対中輸出規制・米国のAIインフラへの巨額投資・新たな生成AIの出現等のイベントに大きく影響を受け上下した。
年始1/6(月)は、年末年始の米株式市場が軟調だったことを受け、大きく値を下げて始まったが、その夜の米株式市場の大手ハイテク・半導体株の上昇を受けて、翌1/7は、為替市場の円安・ドル高も相まって、日経平均は4万円を突破した。
その後中盤にかけては、米の対中半導体規制強化への懸念、好調な米雇用統計による米連邦準備理事会(FRB)が今年の利下げに慎重になるとの見方等の海外マイナス要因、及び日銀総裁・副総裁の発言からの日銀の利上げ警戒といった国内マイナス要因により、日経平均は38,500円を切る水準まで下落した。
しかし、1/15夜に公表された12月米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、米利下げ観測が再度強まったことを起点に、1/20に就任した米トランプ新大統領が初日に一律関税措置を貿易相手国に実行しなかったことへの安心感、米大統領が民間部門(オラクル、オープンAI、ソフトバンクグループ)によるAIインフラへの最大5,000億ドルの投資を発表したことを受けたAI関連銘柄への買い、日銀が金融政策会合で市場予想通りに政策金利を0.25%から0.5%に引き上げたことで為替市場にて一時的な円安・ドル高が進んだことを受けた輸出関連銘柄の買い等により、日経平均株価は再び4万円に迫る水準まで上昇した。
終盤においては、中国企業が低コストで開発した生成AI(DeepSeek)の公表に対して、米ハイテク企業の優位が揺らぐことへの警戒と、開発コストが下がることでAI普及の裾野が広がる期待が交錯し株価は不安定な動きとなった。
最終的に1月は39,500円台で終えた。月次でみると日経平均は▲0.8%下落、TOPIXは+0.1%上昇した。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
1/10(金)夜、12月の米雇用統計において、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大幅に上回りました。また1/14(火)、国内長期金利が一時1.25%と、2011年4月以来の高水準をつけました。これに伴い、1/14、ファンドポジションについて、買い(ロング)を維持し、レバレッジを0.25倍から1倍に拡大しました1。
1/14(火)夜、欧州企業の第4四半期の利益成長が前期から減速する傾向が確認されました。また同日夜、12月の米卸売物価指数(PPI)の伸びが市場予想を下回りました。これに伴い、1/15朝、ファンドポジションについて、買い(ロング)を維持し、レバレッジを1倍から0.25倍に縮小しました2。
1/15(水)夜、12月の米コア消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想を下回りました。また1/17(金)、米CPI発表後の為替市場での円高・ドル安トレンドが継続し、一時1ドル=154円台をつけました。これに伴い、1/17、ファンドポジションについて、買い(ロング)を維持し、レバレッジを0.25倍から1倍に拡大しました3。
1/17(金)夜、為替市場では円安・ドル高トレンドとなりました。市場予想を上回る米経済指標の発表後、トレンドが強まり、1ドル=156円を超えて円安・ドル高が進行しました。また同日夜間、週後半に決算発表が出揃った米銀行大手を中心に、米企業の24年第4四半期決算の好調さが確認されました。これに伴い、1/17夜間、ファンドポジションについて、買い(ロング)を維持し、レバレッジを1倍から0.25倍に縮小しました4。
結果として月次トータル・リターンは+1.72%となりました。
1 株価リターンモデルのシグナルで"買い"を確認し、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より低い(割安な)水準となった。
2 株価リターンモデルのシグナルで"買い"を確認し、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より高い(割高な)水準となった。
3 株価リターンモデルのシグナルで"買い"を確認し、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より低い(割安な)水準となった。
4 株価リターンモデルのシグナルで"買い"を確認し、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より高い(割高な)水準となった。

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