マンスリーレポート(2024年12月) - エニグマ1号ファンド

マーケット概況

12月の日経平均は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の日本株組入比率引き上げの思惑、日本銀行の追加利上げの後ずれ観測等の国内プラス要因と、米国インフレ懸念の緩和による超大型ハイテク7銘柄(マグニフィセント・セブン)への買い集中による米国株価指数の上昇等の海外プラス要因が相まって大幅に上昇した。

序盤はGPIFの運用利回り引き上げ公表に伴う日本株組入比率引き上げの思惑、米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演でのややハト派発言や軟調な米雇用統計に伴うFRBの12月利下げ確度の上昇、中国共産党の来年における積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策実施の公表等のプラス要因が重なり、12/12(木)に日中4万円を上回る水準まで上昇した。

中盤においては、日米中央銀行の金融会合を控えて、様子見の売りが強まり、12/18(水)深夜にFRBが0.25%の利下げを実施すると同時に、来年の利下げペース鈍化(9月時点25年4回利下げが2回に減少)を示唆し米国株が大幅下落したことを受け、12/19(金)は日経平均も午前中は39,000円を大きく割り込んだ。しかし昼に日銀が金融政策決定会合にて政策金利の据え置きを発表すると、為替市場で円安ドル高が進み、株価は上昇トレンドに転じた。

終盤においては、米11月個人消費支出(PCE)価格指数、食品とエネルギーを除くコア価格指数が共に前月比で小幅な伸びに留まり、かつ市場予想を下回ったためインフレ懸念が和らぎ、米国超大型ハイテク銘柄への買い集中による米国株価指数の上昇や、為替市場で円安ドル高進行(1ドル=157円台後半)を受けた輸出関連株の買い等により、12/27(金)には約5カ月ぶりに4万円を回復した。

最終的に12月は39,800円台で終えた。月次でみると日経平均は+4.4%、TOPIXは+3.9%上昇した。

当月のポジション推移及びパフォーマンス

11/28(木)公表の投資家売買動向によると、海外投資家は9月から11月3週までに日本株(現物)を3兆円近く売り越しました。11/29(金)公表の11月東京都区部の消費者物価指数は前年比伸び率が加速し、円相場が一時1ドル=149円台と10月下旬以来の円高ドル安となりました。また12/2(火)午後、厚労省社会保障審議会にてGPIFの運用利回り目標の引き上げ案が提示されました。上記事象等を踏まえ、11/29夜間から12/2日中にかけて、ファンドポジションについて、買い(ロング)を維持し、レバレッジを1倍から0.25倍に段階的に縮小しました1

その後、12/17(火)に2024年度補正予算(一般会計で13.6兆円)が参院本会議で可決・成立しました。12/19(木)早朝、FRBは政策金利を0.25%引き下げました。一方、同時に公表された今後の経済見通しでは、2025年の利下げ回数が9月時点の見通しから半減しました。また12/19(木)夜公表の米国第3四半期実質GDP(確報)が前回改定値から上方修正されたことで、米景気の堅調さが確認されました。上記事象等を踏まえ、12/20夜間、ファンドポジションについて、買い(ロング)を維持し、レバレッジを0.25倍から1倍に拡大しました2

その後、12/20(金)深夜に公表の12月ユーロ圏消費者信頼感指数は2カ月連続で低下し、市場予想も下回りました。また、12/23(月)深夜に公表の12月米消費者信頼感指数は3カ月ぶりに低下し、市場予想も下回りました。上記事象等を踏まえ、12/26、ファンドポジションについて、買い(ロング)を維持し、レバレッジを1倍から0.25倍に縮小しました3

結果として月次トータル・リターンは+3.33%となりました。日経平均は月の終盤に一時4万円を回復したものの、今後は米次期政権の政策や日米中央銀行の金融政策等、依然不確定要素が多いため、中長期的な観点で市場を注視してまいります。

1 株価リターンモデルのシグナルで"買い"を確認し、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より高い(割高な)水準となった。
2 株価リターンモデルのシグナルで"買い"を確認し、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より低い(割安な)水準となった。
3 株価リターンモデルのシグナルで"買い"を確認し、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より高い(割高な)水準となった。

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