マンスリーレポート(2024年8月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
8月の日経平均は、序盤から大幅に下落し、8/5(月)に約4,500円の過去最大下げ幅を記録した。しかし一転、8/6(火)に約3,200円の過去最大上げ幅を記録した後は、上昇トレンドを形成した。当月の終値ベースの株価変動幅は約7,200円とバブルが崩壊した1990年8月の約7,100円を上回り、歴史的な乱高下相場となった。
序盤は、先月末に日銀が日銀会合で政策金利を0.25%に引き上げ、かつ日銀総裁が会合後の記者会見で年内追加利上げの可能性を否定しなかったことから、為替市場で円高・ドル安が急激に進行した国内マイナス要因と、米国において、立て続けの低調な経済指標の公表により景気悪化懸念が増大した海外マイナス要因が相まって、株価は下落トレンドとなり、8/5(月)日中において、一時30,500円を切り先月末より9,000円近く急落した。
しかし、翌日8/6(火)には海外勢の自律反発狙いの買いにより、一転終値ベースで約3,200円の過去最大の上げ幅となった。
その後は、日銀副総裁の講演での「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」との今後の金融政策についての「ハト派」寄り発言による為替市場での円安・ドル高への急反転や、2024年4~6月期国内総生産(GDP)速報値が市場予想を大幅に上回った等の国内プラス要因と、米国において、7月生産者物価指数(PPI)・消費者物価指数(CPI)の伸び率の鈍化から9月利下げ開始によって米国景気が軟着陸(ソフトランディング)する期待が高まった等の海外プラス要因により、株価上昇トレンドが継続した。
結果として8月は38,600円台で終えた。月次でみると日経平均は▲1.2%、TOPIXは▲2.9%下落した。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
8/5(月)、為替市場では日銀会合後の円安ドル高解消の流れが一段と加速し、前場開始時点で1ドル145円台になりました。日経平均は、既に7/11(木)の年初来高値から8/2(金)まで約15%下落していましたが、更に先物が35,000円を大幅に下回る水準まで下落して取引開始したことを受け、8/5朝、ファンドポジションについて、売り(ショート)は維持しつつ、レバレッジを1倍から0.25倍に縮小しました1。
8/6(火)夜、欧州企業の業績の堅調さが改めて確認された事由等を鑑み、8/7から8/8にかけて、ファンドポジションについて、売り(ショート)から買い(ロング)に変更したものの、株価リターンモデルのシグナルが"弱い買い"である点を考慮してレバレッジは0.25倍を維持しました2。
8/8(木)夜、株価リターンモデルのシグナルが"非常に弱い売り"に変化し、かつ日経平均の実際価格が株価水準モデルの理論価格より上昇したことに伴い、ファンドポジションについて、買い(ロング)から売り(ショート)に変更し、レバレッジは0.25倍から0.06倍に縮小しました。
その後、海外投資家が、8/2(金)の週まで3週連続、計1兆3,000億円以上の日本株(現物)を売り越したことが確認されましたが、8/9(金)の週が終了した時点では、日経平均は8/5(月)の終値から10%超の上昇となり、売り越しが一巡したことが示唆されました。これに伴い、8/9夜間から8/13(月)にかけて、ファンドポジションについて、売り(ショート)から買い(ロング)に変更し、レバレッジを0.06倍から0.25倍に拡大しました3。
結果として月次トータル・リターンは+16.58%となりました。
1 株価リターンモデルで"売り"のシグナルを確認し、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より低い水準となった。
2 株価リターンモデルで"弱い買い"のシグナルを確認し、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より非常に低い水準であった。
3 株価リターンモデルで"買い"のシグナルを確認し、日経平均の実際の価格は株価水準モデルの理論価格より高い水準であった。

当サイト内の投稿は投資家の皆様にできる限り早く正確なファンドの情報をお伝えすることを主な目的としております。許容レバレッジや対象商品の保有期間、その他前提条件が異なる場合はとるべきポジションは自ずと異なるため、その他の閲覧者様におかれましては安易なポジションの複製はお控えください。当ファンドにとって重要なマクロ事象の突発的な変化が生じた場合には、当サイト内の最新の投稿が必ずしもファンドのリアルタイムのポジション及びレバレッジを表さない可能性があります。また如何なる投稿記事も特定の商品の売買を推奨するものではありません。