マンスリーレポート(2024年7月) - エニグマ1号ファンド

マーケット概況

7月の日経平均は、前半の米国利下げ期待の高まり、米国株価指数の相次ぐ最高値の更新、為替市場における円安ドル高の急速な進行といったプラス要因と、後半の米国ハイテク株安、政府・日銀の為替介入による為替市場における円高ドル安、米国の対中半導体規制の厳格化検討に伴う半導体関連銘柄の業績懸念等のマイナス要因が拮抗し乱高下した。

序盤は、低調な米国経済指標による米国9月利下げ観測の高まり、米ハイテク株の主導による米国株価指数の相次ぐ最高値更新、為替市場における円安ドル高の急速な進行により、株価は右肩上がりに上昇し、7/11(木)には42,000円を突破し史上最高値を付けた。

しかしその後から終盤にかけては、政府・日銀の為替介入による為替市場における円高ドル安の是正、米ハイテク銘柄の過熱感への警戒・決算の失望に伴う大幅下落、米国の対中半導体規制の厳格化検討報道による半導体関連銘柄の下落、米大統領選を巡る警戒の高まり等立て続けのマイナス要因により、株価は下降トレンドを形成し、7/26(金)には38,000円を切る水準まで下落した。

月末においては、7/11(木)から7/26(金)にかけての4,000円以上の株価下落に対する自律反発を意図した強い買い、及び日銀会合での利上げ公表後の事前に売り建てていた株価指数先物の買戻し、米国の対中半導体規制強化の枠組みから日本や韓国を除外するとの報道等のプラス要因により、株価は1,500円程度値を急速に戻した。

結果として7月は39,100円台で終えた。月次でみると日経平均は▲1.2%、TOPIXは▲0.5%下落した。

当月のポジション推移及びパフォーマンス

7/22(月)、中国人民銀行は、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(期間1年及び期間5年超のローンプライムレート)を0.1%引き下げ、経済を下支えする姿勢を示した。また、同じ週、国内上場企業の決算発表が進む中、今期業績予想は上方修正傾向にあり、全体として企業業績の堅調さが明らかになってきた。外国為替市場では、政府・日銀の円買い介入観測やブルームバーグのインタビューにおける河野デジタル相の利上げ要求発言等を背景に、7月序盤までの円安ドル高が急速に解消され、7/25(木)には一時1ドル151円台をつけた。7/31(水)、日銀は国債保有残高の削減計画(毎月の国債購入額を原則四半期毎に4,000億円ずつ減額)及び政策金利の0.15%引き上げを決定した。

7月の当ファンドは、上記事象等を踏まえて、適宜売買判断を行いましたが、いずれも株価リターンモデルで"売り"を確認し、かつ日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより常に高い(割高な)水準であったため、ファンドポジションは"売り"、レバレッジは1倍を維持しました。結果として月次トータル・リターンは+0.36%となりました。

7/31(水)の取引終了にかけて、米国による半導体製造装置に関する新たな対中輸出規制について日韓蘭は適用除外となる見通しとの報道をきっかけに、日経平均が急速に値を戻しましたが、引き続き中長期的な観点で市場を注視しながら運用をおこなってまいります。

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