マンスリーレポート(2024年5月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
5月の日経平均は、日米の今後の政策金利に関する思惑が交錯し、方向感が見出せない様相を呈した。
序盤は、月末公表の米1~3月期の米雇用コスト指数から賃金上昇圧力が示唆され、また4月米消費者信頼感も約1年半ぶり低水準となり、更に月初に米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利据え置きを決定したものの、最近の予想外に強いインフレ指標に警戒感を示したことから株価は下落トレンドとなった。
その後、日本のGW中に公表の4月米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回り、賃金の伸びも約3年ぶりの低さとなったことで、FRBによる年内利下げ観測が強まり、連休明けに株価は一旦値を大きく戻した。
しかし直後の米半導体関連株の下落に伴うハイテク株を中心とした売り、為替市場での円安ドル高に対する日本政府・日銀による円買い介入への警戒感も重なり、株価は38,000円を割ろうとする水準まで下落した。
中盤においては、米新規失業保険申請件数が予想以上に増加し利下げ観測が強まったことを皮切りに、米国企業の24年1Q決算・日本企業の23年度決算が総じて堅調なことから株価は再度上昇トレンドとなり、かつ米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受け、利下げに対する期待が更に強まり、株価は39,000円を上回る水準まで上昇した。
終盤においては、日本銀行による金融政策の正常化観測から国内債券市場で長期金利が11年ぶりに1%の大台に乗せ、株式の割高感から株価は下落した。米エヌビディアの好業績による半導体関連株の上昇により株価は一時回復したものの、その後は、堅調な米経済を背景にFRBが利下げを先送りするとの見方から、米債券市場で長期金利が上昇し、更に第1四半期の米実質国内総生産(GDP)改定値が下方修正となり、金融引き締め長期化による経済失速の懸念から、株売り・国債買いが優勢となった。
結果として4月は38,400円台で終えた。月次でみると日経平均は+0.2%、TOPIXは+1.1%上昇した。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
前月末の米消費者信頼感や月初の米ISM製造業景況感に関する調査結果が経済活動の減速を示唆する内容であったこと、及び5/2未明にFRBが政策金利の据え置きと6月からのバランスシート圧縮ペース減速の発表等を受け、ファンドポジションについて、買い(ロング)を維持しつつ、レバレッジを1倍まで拡大しました 1。
また、5/13~5/15にかけての中国における総額1兆元(約21.5兆円)規模の超長期国債発行計画の発表、及び日本プライム上場企業の24年3月期決算で示された25年3月期の慎重な業績見通し等を受け、5/16日中、ファンドポジションについて、買い(ロング)を維持しつつ、レバレッジを1倍から0.25倍に縮小しました 2。
月終盤には、日本銀行の金融政策の正常化観測、及び米国のインフレ懸念を背景とした日米長期金利の上昇による株価下落に伴い、5/30日中、ファンドポジションについて、買い(ロング)を維持しつつ、レバレッジを0.25倍から1倍に拡大しました 3。
結果として、当ファンドの月次トータル・リターンは+1.50%となりました。
1 株価リターンモデルの判断は"買い"を示し、かつ日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより低い(割安な)水準であった。
2 株価リターンモデルの判断は引き続き"買い"を示し、一方日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより高い(割高な)水準となった。
3 株価リターンモデルの判断は引き続き"買い"を示し、一方日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより低い(割安な)水準となった。

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