マンスリーレポート(2024年3月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
3月の日経平均は、米S&P総合500種、ナスダック総合株価指数の連日の最高値更新を受け、月初から急騰し、3/4に34年ぶり史上最高値を更新した。その後は日米の中央銀行会合での金融政策を巡る思惑や年度末の年金勢など国内機関投資家の保有資産のリバランス(調整)懸念により上下動したものの、結果として先月に続き上昇した。
序盤は、2月末公表の米1月個人消費支出(PCE)価格指数の低い伸び、月初の米供給管理協会(ISM)製造業景況感指数の予想外の低下・米ミシガン大学消費者マインド指数の悪化等により米国での早期利下げ期待が高まり、米株式市場が連日過去最高値を更新した海外要因を受け、日経平均は史上最高値を突破し40,000円台で推移する展開となった。
中盤は、3/19開催の日銀会合にてマイナス金利政策を解除するとの思惑からの半導体関連株などの売り、為替市場の円高ドル安進行に伴う輸出関連株への売り、年初からの急ピッチ上昇の利益確定売り等の国内要因により38,600円台まで下落した。
しかし3/16付で報道機関が「日銀が次回の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除する見通し」と報じると、日銀の金融政策を巡る先行き不透明感が払拭され株価が上昇に転じ、更に日銀が金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除や上場投資信託(ETF)の買い入れ終了等を決め、声明文で「当面、緩和的な金融環境が継続する」との見通しを示すと、為替市場は円安ドル高が進行し、輸出関連株・不動産株を中心に株価は更に上昇した。また3/20深夜に米連邦準備制度理事会(FRB)が金利据え置きを決定し、年内0.75%利下げの想定を示すとともに、パウエルFRB議長の”今年のある時点で緩和を開始するのが適切になるだろう”との発言を受けて、株価は41,000円に迫る水準まで上昇した。
その後、政府・日銀による円買い介入への警戒感や、年度末の年金勢など国内機関投資家の保有資産のリバランス懸念により若干下落したものの、結果として3月は40,360円台で終えた。月次でみると日経平均は+3.1%、TOPIXは+3.5%の上昇となった。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
3/7夜間、欧州中央銀行(ECB)は、4会合連続となる主要政策金利の据え置きを決定するとともに、2024年~2026年のユーロ圏のインフレ率の予測値を前回会合時点の予測値から全体的に下方修正しました。また、3/8には内閣府の調査等から国内景況感の改善に進展が見られました。これらの事象等を受け、3/8夜間から3/11日中にかけて、当ファンドのポジションは"買い"を維持しつつ、レバレッジを0.25倍から0.375倍に拡大しました 1。
3/19には、日本銀行が、金融政策決定会合においてマイナス金利政策の解除、イールド・カーブ・コントロール(YCC)の廃止及びETF・J-REITの新規買い入れ終了を決定しました。一方、長期国債の買い入れについては、足もとと概ね同額の月間約6兆円程度を基準に買い入れを継続する方針としたものの、償還とのネットで国債保有残高が相応に減少していく可能性が出てきました。また、欧州企業の業績について、減速傾向が徐々に強まってきていることが確認されました。これらの事象等を受け、3/19日中、当ファンドのポジションは"売り"に変更し、レバレッジを0.375倍から1倍に拡大しました 2。
結果として当ファンドの月次トータル・リターンは▲3.04%となりました。日銀会合後、月末にかけて、当面緩和的な環境が継続するとの思惑から株価は上昇していますが、会合での決定事項が反映される今後の公表データ等を注視しながら慎重にポジションを管理してまいります。
1 株価リターンモデルの判断が"買い"から"やや強い買い"へ変化し、かつ日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより高い(割高な)水準であった。
2 株価リターンモデルの判断が"やや強い買い"から"売り"へ変化し、かつ日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジよりも高い(割高な)水準であった。

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