マンスリーレポート(2024年2月) - エニグマ1号ファンド

マーケット概況

2月の日経平均は、ほぼ一方的に上昇する力強い展開となった。米国におけるハイテク企業好決算によるAI(人工知能)ビジネスへのより強い期待、日本における為替市場の円安ドル高基調による輸出関連株への買い、日銀の金融緩和継続への期待といったプラス要因が、米国の連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ期待の後退、利益確定売りといったマイナス要因を圧倒した。当月は、日米主要株式指数である、日経平均、S&P総合500種、ナスダック総合、NYダウ平均が過去最高値を更新した。

月の初めは、FRBが米連邦公開市場委員会(FOMC)にて政策金利を据え置き、パウエル議長が”インフレ率が2%に持続的に向かう確信が深まるまで金利の引き下げを考えていない”と表明したため早期利下げ観測が後退し株価は下落して始まった。

しかしそれ以降、米国におけるハイテク企業の好決算発表、日本における為替市場の円安ドル高、ソフトバンクグループ・東京エレクトロンといった半導体関連銘柄(AI関連銘柄)の高騰等により、中旬までに38,000円台に到達した。

中旬以降においても、日本では23年10〜12月期の実質国内総生産(GDP)速報値が2四半期連続のマイナスとなったことが逆に日銀の金融緩和継続の期待を高め、米国では米半導体大手エヌビディアが市場予想を上回る好決算を発表したことで日米のAI関連銘柄が更に急騰した等により、2/22に日経平均は34年ぶりに過去最高値を更新した。

終盤にかけてもこの勢いは続き、結果として2月は39,160円台で終えた。月次でみると日経平均は+7.9%、TOPIXは+4.9%と大幅な上昇となった。

当月のポジション推移及びパフォーマンス

2/1未明、FRBは政策金利を据え置くとともに、インフレ率が2%の目標に向けて持続的に低下していくという確信が深まるまでは利下げを急がない考えを示しました。また同日深夜に公表された米ISM製造業景況感指数は、前月から持ち直して市場予想を上回ったものの15カ月連続で経済の拡大・縮小の分岐点となる50を下回りました。2/10には、欧州連合(EU)加盟国と欧州議会が財政ルールの緩和で合意に達したことが明らかになり、加盟国における債務削減と公共投資のバランスを図る余地が生まれました。2月3週目には、国内企業の決算が概ね出揃い、円安や企業の価格転嫁等を背景に、総じて好調な結果が確認されました。2月4週目には、海外投資家による現物株の買い越しが年初から7週連続で継続していることが確認されました。

2月の当ファンドは、上記事象等を受けて、適宜売買判断を行いましたが、いずれも株価リターンモデルで"買い"を確認し、かつ日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより常に高い(割高な)水準であったため、ファンドポジションは"買い"、レバレッジは0.25倍を維持しました。結果として月次トータル・リターンは+1.83%となりました。

今後は低迷する内需の先行きに影響する賃上げ動向や転換が近いと目される国内金融政策の動向等も注視しながらファンドポジションを慎重に管理してまいります。

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