マンスリーレポート(2024年1月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
1月の日経平均は、米国における、弱い経済指標の公表で利下げ期待が高まり、強い経済指標の公表で経済の底堅さが認識され、どちらに転んでも株価が上昇する環境と、国内の為替市場におけるドル高・円安の進行による輸出関連銘柄の買い、新しい少額投資非課税制度(NISA)経由の個人投資家の買いが相まって大幅に上昇した。
年初1週目は、日米株式市場が2023年に大幅上昇したこともあり、利益確定売りが重石となり日経平均は横ばいの展開となった。
しかし2週目(1/9~)に入ると、為替市場におけるドル高・円安の進行、1月開始の新NISA経由の個人投資家の買いといった主に国内のプラス要因により株価は36,000円を伺う水準まで一気に上昇した。
中盤において、6日続伸(2,600円)による高値警戒感からの利益確定売りにより、一時35,500円まで値を戻す局面もあったが、米国におけるAI(人工知能)への楽観的な見方や、米連邦準備制度理事会(FRB)による年内早期利下げの楽観見通しといったプラス要因により米国S&P総合500種が過去最高値を更新し続ける影響を受け、株価は再び急騰し36,500円を超えた。
終盤にかけては、年初からの急騰の反動による利益確定売りのマイナス要因と、為替市場の更なるドル高・円安の進行による輸出関連銘柄の買い、米国S&P総合500種・ダウ工業株30種平均が過去最高値を更新し続けるといったプラス要因が拮抗する展開となった。
結果として1月は36,200円台で終えた。月次でみると日経平均は+8.4%、TOPIXは+7.8%と大幅な上昇となった。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
年初から新NISAが開始したことにより、長期トレンドとして日本株への一定の新規資金流入が期待されます。また、1/5夜間に公表された12月の米ISM非製造業景況感指数が市場予想を大幅に下回り、サービス業の企業活動の減速が示唆されたことで、FRBによる早期利下げ観測が強まりました。一方、ユーロ圏の企業業績や中国の景況感には停滞感が見られました。これらを踏まえ、1/5夜間、ファンドポジションは"買い"を維持しつつ、レバレッジを0.5倍に拡大しました 1 。
その後、1/24朝に公表された貿易統計では、好調な自動車輸出や資源高の一服等により、2023年の貿易赤字が対前年比大幅に縮小したこと(円安圧力の緩和要因)が確認されました。また同日夜公表の1月米製造業購買担当者景気指数(PMI)は好不況の分かれ目である50を超え、FRBによる早期利下げ観測が後退しました。一方で、同日夜に中国人民銀行は、2/5より預金準備率を0.5%引き下げること(市場への約20兆円相当の流動性供給)を発表し、緩和的な金融政策を堅持する姿勢を示しました。これらを踏まえ、1/24夜間、ファンドポジションは"買い"を維持しつつ、レバレッジを0.25倍に縮小しました 2。
結果として月次トータル・リターンは+4.04%となりました。1月は米国の利下げや円安を背景とした企業決算等に対する期待が先行した面があるため、今後本格化する企業決算の結果やマクロ環境の動向を注視してまいります。
1 株価リターンモデルで"強い買い"のシグナルを確認し、かつ日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより高い(割高な)水準であった。
2 株価リターンモデルのシグナルが"強い買い"から"買い"に変化し、かつ日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより高い(割高な)水準であった。

当サイト内の投稿は投資家の皆様にできる限り早く正確なファンドの情報をお伝えすることを主な目的としております。許容レバレッジや対象商品の保有期間、その他前提条件が異なる場合はとるべきポジションは自ずと異なるため、その他の閲覧者様におかれましては安易なポジションの複製はお控えください。当ファンドにとって重要なマクロ事象の突発的な変化が生じた場合には、当サイト内の最新の投稿が必ずしもファンドのリアルタイムのポジション及びレバレッジを表さない可能性があります。また如何なる投稿記事も特定の商品の売買を推奨するものではありません。