マンスリーレポート(2023年11月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
11月の日経平均は、前月末の日銀金融政策決定会合における金融緩和継続の決定、11/2未明の米連邦準備理事会(FRB)による金利据え置きの決定、及び11/14の米10月消費者物価指数(CPI)の市場予想を下回る低下による米国インフレ懸念の払拭により、大幅に上昇した。
まず序盤は、前月末10/31の日銀金融政策決定会合の結果公表にて政策変更はほぼなく、政策修正への過度な警戒感が後退したことにより、円安の進行も伴って、株価は2日間で1,000円以上上昇し、32,000円に近い水準となった。
追って11/2未明のFRBの金利据え置きの決定により、市場では利上げサイクルが終了したとの楽観的な見方が強まり、米国債利回りが大幅に低下した。更に好調な企業の四半期決算もあって、連休明けの11/6に、今年最大の上げ幅により32,700円台に到達した。その後、短期的な過熱感が意識され、利益確定目的の売りもあり株価は横ばいで推移した。
中盤に入り、11/14夜の米10月CPIは前年同月比3.2%上昇となり、伸びは前月から大幅に縮小し、市場予想も下回ったことから、FRBの利上げ局面は終了したのと見方を受け、翌日に再度、今年最大の上げ幅により33,500円台まで上昇した。以降は短期的な過熱感から利益確定の売りも強く株価はほぼ横ばいで推移した。
結果として11月は33,400円台で終えた。月次でみると日経平均は+8.5%、TOPIXは+5.4%の大幅な上昇となった。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
当ファンドは、11/2未明にFRBが2会合連続となる政策金利の据え置きを決定したことは好感される内容であったものの、前日に発表された中国の景況感指数が市場予想を大幅に下回り、中国経済の停滞が改めて浮き彫りとなったことや、政府のまとめた総合経済対策の財政支出規模が過去数年に比して縮小されたこと等を受け、11/2日中に、ファンドポジションについて"買い"を継続しつつ、レバレッジを0.25倍に縮小しました 1。
またその後、良好な国内企業決算や、EU加盟国の信用格付けの向上などが確認された一方で、米エヌビディアの決算通過後には、市場の楽観的な利下げ期待を背景に11月の上昇相場を牽引してきた半導体関連企業の株価上昇が一服したことや、米国にて依然として高い期待インフレが確認されたこと、及び国内景況感の鈍化傾向が確認されたこと等を受け、11/21日中から11/22夜間にかけて、ファンドポジションを"売り"に変更し、レバレッジを1倍に拡大しました 2。結果として月次トータル・リターンは+5.12%となりました。
11月は欧米の利下げ期待を背景に株価が急上昇しているものの、各国景気減速懸念も排除できない状況であるため、過度に楽観に傾斜することなく、ファンドポジションを慎重に管理して参ります。
1 株価リターンモデルで"買い"を確認し、かつ日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより高い(割高な)水準であった。
2 株価リターンモデルで"売り"を確認し、かつ日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより高い(割高な)水準であった。

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