マンスリーレポート(2023年8月) - エニグマ1号ファンド

マーケット概況

8月の日経平均は、月初の米国債格下げによる米国財政健全性への懸念等により、一時大きく値を下げたが、その後は半導体関連(AI関連)銘柄の急伸、米国の金融引き締め懸念の後退、為替市場での円安・ドル高の進行、国内インバウンド需要期待により急速に値を戻した。

序盤は格付け会社フィッチ・レーティングスによる米国の長期外貨建て発行体格付けの引き下げによる米国財政健全性に対する懸念、格付け会社ムーディーズによる米銀行格下げ(中小規模10行)による米銀および経済の健全性に対する懸念から1,000円以上値を下げる展開となった。

一時円安・ドル高進行による輸出関連企業の業績改善期待、中国の団体旅行解禁による国内インバウンド需要の本格回復への期待により500円ほど値を戻す時期もあったが、その後、米国の堅調な経済指標の結果により、金利が長期に高水準で推移し景気が低迷する懸念の高まり、経営再建中の中国不動産大手の中国恒大集団が米連邦破産法第15条の適用を申請したことによる中国景気の先行き懸念から、株価は31,500円を切る水準まで大幅に下落した。

しかし下旬からは米半導体大手エヌビディアの決算期待・好決算による半導体関連(AI関連)銘柄の急伸、為替市場の円安・ドル高進行による輸出関連業の業績改善期待、ジャクソンホール会議におけるパウエルFRB議長の講演内容が想定内であったことによる過度の金融引き締めに対する懸念の後退等によりじわじわと値を戻し上昇トレンドを形成した。

結果として8月は32,600円台で終えた。月次でみると日経平均は▲1.7%の小幅下落、TOPIXは+0.4%の上昇となった。

当月のポジション推移及びパフォーマンス

当ファンドは、8/2早朝(米国時間1日)、米格付け会社フィッチ・レーティングスによる米国債格下げを受け、買いポジション(レバレッジ0.25倍)から売りポジション(レバレッジ1倍)へ変更しました (*1)。またその後、8/15公表の日本の2Q実質GDP1次速報(前期比年率+6.0%)はポジティブな情報であったものの、8/18早朝の中国恒大集団の米連邦破産法適用申請を発端として中国不動産市況の悪化リスクが意識されるなど、好悪材料が拮抗する状況を踏まえ、8/29に売りポジションを継続しつつ、レバレッジを1倍から0.375倍に縮小した (*2)ことで、月次トータル・リターンは+1.84%となりました。

(*1) 株価リターンモデルで"売り"のシグナルを確認し、かつ株価水準モデルによる理論価格レンジよりも実際の価格は高い水準であった。
(*2) 株価リターンモデルで"売り買い中立"のシグナルを確認し、また株価水準モデルによる理論価格レンジよりも実際の価格は高い水準であった。

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