マンスリーレポート(2023年7月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
7月の日経平均は、欧米日の中央銀行の金融政策に対する期待・懸念・決定内容の解釈により乱高下する展開となった。
月初は、米5月個人消費支出(PCE)価格指数の伸びが鈍化し、米利上げが終了に近いとの期待による米株式相場上昇の影響、及び6月日銀短観で企業景況感などが改善したことが好感され、株価は先月末から500円を超える上昇となった。
しかし翌日以降、米連邦公開市場委員会(FOMC)6月会合の議事要旨が7月会合で利上げする確率が高い内容だった点、中国6月非製造業購買担当者景気指数(PMI)の大幅な低下、6月ユーロ圏総合PMI(改定値)の半年ぶりの低水準、米ADP民間部門雇用者数の急増によるFRBによる利上げ継続懸念、為替の円高・ドル安、27~28日の日銀会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を中心とした大規模な金融緩和策を見直すとの観測等のネガティブ要因により、株価は32,000円を切る水準まで大幅に下落した。
しかし、7/12(水)夜公表の米6月消費者物価指数(CPI)が前年比で約2年ぶりの小幅な伸びとなり、インフレが一段と低下して米利上げの停止が近いとの期待を契機に株価は反転した。以降、中国4~6月期GDP成長率が市場予想を下回り、中国景気悪化が懸念されたものの、欧米中央銀行の想定通りの利上げ、米6月個人消費支出(PCE)価格指数の伸び率鈍化による先行きインフレ懸念の後退、米国の好調なハイテク企業決算、為替の円安ドル高といった複数のポジティブ要因により、株価は上昇トレンドを形成した。
月末には、日銀会合で長短金利操作の運用を柔軟化すると決めた一方で日銀総裁が記者会見で「政策の正常化へ歩み出すという動きではない」と発言したことで、金融緩和が安定継続するとの期待により株価は大幅に上昇した。
結果として7月は33,100円台で終えた。月次でみると日経平均は▲0.1%の小幅下落、TOPIXは+1.5%の上昇となった。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
7月の当ファンドは、海外投資家の現物株の買い越しトレンドは継続しているものの、その勢いが鈍化していることや、国内のマクロ環境の改善度合いに一部鈍化がみられること、欧米中央銀行による利上げ幅が事前予想通りであったこと等を考慮し、株価水準は割高であるとの判断から、やや買い(ロング)ポジションを維持したことで、月次トータル・リターンは▲0.12%となりました。

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