マンスリーレポート(2023年5月) - エニグマ1号ファンド

マーケット概況

5月の日経平均は、世界と比較して安定感のある日本株への海外勢の逃避的な買い、為替の円安・ドル高による輸出関連株の買い等により、5カ月連続で上昇し、一時1990年7月以来、約33年ぶりに31,000円台となった。

序盤は、日本の好決算・株主還元強化企業への買い、為替の円安・ドル高等のプラス要因と、米国地銀破綻に伴った金融システムへの懸念、米国インフレ悪化による景気後退懸念等のマイナス要因が29,000円を挟んで拮抗する展開となった。

ゴールデンウィーク明けの5/9(火)からは、海外勢の安定感のある日本株への投機的な買い、為替の円安・ドル高、米国債務上限問題を巡る合意が近くまとまるとの楽観的な見方等が相まって、株価は5/22(月)に約33年ぶりの31,000円台に到達するまで急伸した。

その後月末にかけては、月初から2,000円以上上昇したことによる利益確定の売り、米国債務上限協議の膠着等のマイナス要因と、米半導体大手エヌビディアの好調な業績見通しの公表を契機としたAI(人工知能)関連株への買い、海外投機筋の株価指数先物への根強い買い等のプラス要因が拮抗し株価は膠着した。結果として5月は30,800円台で終えた。

月次でみると日経平均は+7.0%、TOPIXは+3.6%の大幅な上昇となった。

当月のポジション推移及びパフォーマンス

当ファンドの5月のポジション推移及びパフォーマンスは以下の通りとなりました。

- 4/28の日銀金融政策決定会合で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)方針、金融緩和の維持を決定。
- 為替の円安・ドル高が進行し、輸出関連株に買い。

以上の事象等を踏まえた結果、株価リターンモデルでは引き続き"買い"のシグナルを確認。一方、日経平均の実際の価格は、株価水準モデルの理論価格レンジより高い水準まで上昇した。これに伴い、5/1(月)に、ファンドポジションについて、買い(ロング)を維持しつつ、レバレッジを1倍から0.25倍に縮小した。

- 中国の4月景況感が大幅に悪化。
5/3の米連邦準備理事会(FRB)会合において、市場の予想通り、25bpの利上げを決定。
- 5/4の欧州中央銀行(ECB)会合において、市場の予想通り、25bpの利上げを決定。
- 米国地銀の株価急落により、金融機関の健全性への懸念が再発。

以上の事象等を踏まえた結果、株価リターンモデルのシグナルは"買い"から"売り"に変化。一方、日経平均の実際の価格は、株価水準モデルの理論価格レンジより低い水準で推移した。これに伴い、ファンドポジションを売り(ショート)に変更し、レバレッジは0.25倍を維持した。

4月外国人投資家が日本株を大きく買い越し。
日本の景況感は市場予想を上回る良好な結果となった。

以上の事象等を踏まえた結果、株価リターンモデルで"買い"のシグナルを確認。一方、日経平均の実際の価格は、株価水準モデルの理論価格レンジより高い水準で推移した。これに伴い、日中から夜間にかけて、ファンドポジションを買い(ロング)に変更し、レバレッジは0.25倍を維持した。

5月の当ファンドは、月初から買い(ロング)ポジションを維持していましたが、中国景気回復の一段の鈍化等のマクロ要因により、やや売り(ショート)ポジションに変更しました。しかし、為替の円安・ドル高および海外投資家の買い越しトレンドの継続等の要因により、やや買い(ロング)ポジションに転じ、月末まで維持したことで、月次トータル・リターンは+0.99%となりました。

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