マンスリーレポート(2023年3月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
3月の日経平均は、グローバル金融システム不安の影響で乱高下したものの、結果として上昇で終えた。
序盤は、2月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が好不況の境目となる50を上回ったことによる中国景気回復とインバウンド(訪日外国人)消費の本格回復への期待、為替の円安ドル高進行による輸出企業の業績改善への期待により株価は28,600円台まで上昇した。
しかし3/10(金)夜、過去10年余りで最大の米銀破綻となるSVB(シリコンバレー銀行)破綻を契機に投資家リスク回避姿勢が強まり株価は下落トレンドに入った。3/15(水)夜には欧州金融大手クレディ・スイスの株価急落による経営破綻リスクも浮上したことで、米国のみならず欧州も含めたグローバル金融システム不安が高まり、株価は26,000円台にまで下落した。
その後、イエレン米国財務長官の預金保護に向けた措置を講じるとの発言、スイス中央銀行の金融支援に基づく金融大手UBSによるクレディ・スイスの救済買収計画の発表といった迅速な対応によって、グローバル金融システムへの過度な不安が和らぎ株価は27,500円台まで回復した。
更に月末かけては3月期決算企業の配当や株主優待の権利取りを意識した買い、配当再投資に絡んだ買いにより株価上昇が加速した。
月次でみると日経平均は+2.2%、TOPIXは+0.5%の上昇となった。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
当ファンドの3月のポジション推移及びパフォーマンスは以下の通りとなりました。
- 3/1、中国の景況感が市場予想を大幅に上回る改善となった。
- 2月から3月にかけて、為替相場にて136円台への急速な円安ドル高が進行した。
以上の事象等を踏まえた結果、株価リターンモデルでは引き続き"買い"のシグナルを確認。一方、株価水準モデルによる日経平均の理論価格レンジが実際の価格より高い水準まで上昇。
これに伴い、3/1(水)日中に、ファンドポジションについて、買い(ロング)を継続の上で、レバレッジを0.25倍から1倍に拡大した。
- 欧米の金融不安に伴い、為替相場において、132円台へと急速に円高ドル安が進行した。
- 3月第2週において、外国人投資家が日本株を1兆円以上大幅に売り越した。
- 3/16のECB会合において、市場の25bs利上げ予想に対して、50bsの利上げを決定した。
以上の事象等を踏まえた結果、株価リターンモデルでは"売り"のシグナルを確認。一方、株価水準モデルによる日経平均の理論価格レンジは、実際の価格より高い水準で推移。
これに伴い、3/16(木)夜間に、ファンドポジションについて、売り(ショート)に変更し、レバレッジを1倍から0.25倍に縮小した。
3月の当ファンドは、月初は中国景況感の大幅な改善を受けて買い(ロング)ポジションをとっていましたが、3月第2週目に海外投資家による1兆円超の現物株の大幅売り越し(3週連続の売り越し)を確認し売り(ショート)ポジションに転じたことで、月次トータル・リターンは▲3.27%となりました。月末には、欧米の金融システムに対する過度な不安の後退や配当権利取り・配当再投資が意識され株価は再び上昇しているものの、海外投資家の売り越し姿勢が継続している点を注視しながらポジション取りおよびリスク管理を行ってまいります。

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