マンスリーレポート(2023年2月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
2月の日経平均は、米国株式市場が3%~4%大幅下落する中、為替1ドル130円台から136円台への急激な円安ドル高が支えとなり、緩やかに上昇した。
序盤においては、連邦公開市場委員会(FOMC)による0.25%利上げ後に、パウエルFRB議長が会見にてインフレが緩和し始めているとの認識を示したことへの好感や、日銀の次期総裁人事に関する報道を受けて日銀の緩和姿勢が続くとの見方から円安ドル高が進行したことにより、株価は上昇トレンドを形成した。
中盤においては、円安ドル高を背景とした海外投資家などによる株価指数先物への断続的な買いと、米国の強い雇用統計、市場予想を超え上昇した消費者物価指数(CPI)を背景とした米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続による景気減速懸念による売りが拮抗し、株価が膠着状態となった。
終盤においては、米国利上げ懸念による米国株続落の影響を受け、株価指数先物において一時27,000円を切る水準まで下落したが、2/24の次期日銀総裁候補の植田氏の衆院での所信聴取と質疑の内容から現在の金融緩和策が当面続くとの見方を受け、一転して株価は上昇した。
月次でみると日経平均は+0.4%、TOPIXは+0.9%の上昇となった。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
当ファンドの2月のポジション推移及びパフォーマンスは以下の通りとなりました。
- 2/2早朝、米連邦公開市場委員会(FOMC)において米連邦準備制度理事会(FRB)が0.25%ポイントの利上げを決定した。
- 2/2夜、欧州中央銀行(ECB)が0.5%ポイントの利上げを決定した。
以上の事象等を踏まえた結果、株価リターンモデルでは"売り"のシグナルを確認。一方、日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより高い水準まで上昇。これに伴い、2/2(木)深夜から2/3(金)日中にかけてファンドポジションについて、買い(ロング)から売り(ショート)に変更し、レバレッジも0.25倍から1倍に拡大した。
2/15を終えて日本企業の22年10~12月期の四半期決算が出そろった。今期予想(23年度)を下方修正する企業が多く、今期予想純利益は4%程度まで下落したものの、底堅さがうかがえた。以上の事象等を踏まえた結果、株価リターンモデルでは"買い"のシグナルを確認。一方、日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより引き続き高い水準で推移。これに伴い、2/16(木)夜間において、ファンドポジションを売り(ショート)から買い(ロング)に変更し、レバレッジを1倍から0.25倍に縮小した。
2月の当ファンドは、月初からFRBとECBの利上げを受けて売り(ショート)ポジションをとっていましたが、中旬には国内企業業績の底堅さを確認し再び買い(ロング)ポジションに転じたことで、月次トータル・リターンは▲0.63%となりました。日経平均株価は27,500円を挟んで方向感を欠くものの、海外投資家の買い越しトレンドが継続している点や急速な円安ドル高が進行している点を引き続き注視し、必要に応じて機動的にポジション変更を行えるよう備えてまいります。

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