マンスリーレポート(2022年12月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
12月の日経平均は、大幅下落となった。
月初は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が12月にも利上げペースを縮小する可能性を示唆したことを好感し28,000円台に回復した。しかし11月米ISM製造業景況感指数が好不況の閾値である50を下回ったこと、11月米ISM非製造業景況感指数が予想外に上昇したことで、FRBの利上げ長期化による景気後退懸念が高まり、株価は27,500円台まで下落した。
中盤にかけては、11月米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことで、FRBが利上げを減速させるとの期待から28,000円を再度回復したが、15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合、欧州中央銀行(ECB)会合後の議長声明でのインフレ抑制のための金融引き締めへの強い決意を発端に、20日の日銀金融政策決定会合で公表されたイールドカーブコントロール修正が金融緩和縮小と市場が受け取ったことも相まって、一転26,000円に迫る水準まで急落した。
終盤にかけて、自律反発狙いの買いや、26日夜に中国が公表した厳格な出入国規制の緩和による経済活性化への期待から26,500円近くまで反発したものの、月末に、規制緩和により中国で新型コロナウイルス感染が急拡大したとの報道を受け、再度下落して終えた。
月次でみると日経平均は▲6.7%、TOPIXは▲4.7%の下落となった。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
当ファンドの12月のポジション推移及びパフォーマンスは以下の通りとなりました。
12/14(水)夜間、米連邦準備理事会(FRB)は、予想通り0.50%の利上げを発表したが、最新の金利見通しが引き上げられたことで景気後退に対する警戒感が強まった。また、12/15(木)夜間、欧州中央銀行(ECB)が0.50%の利上げを発表した。併せて約5兆ユーロ(約730兆円)に上る保有債券のポートフォリオ圧縮(金融引き締め)を来年3月に開始することを金額とともに明示したことはサプライズであった。
以上の事象等を踏まえた結果、株価リターンモデルでは"売り"のシグナルを確認。一方、日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより引き続き高い水準で推移。これに伴い、12/15(木)夜間~12/16(金)日中にファンドポジションを売り(ショート)に変更し、レバレッジを0.25倍から1倍に拡大。
12/20(火)、日銀の金融政策決定会合において、新型コロナウイルス感染症対応金融支援特別オペのうち中小企業向け制度融資分が期限を迎えた。また長期金利の許容変動幅を従来の±0.25%程度から±0.5%程度へと拡大するとともに、国債買入れ額を従来の月間7.3兆円から9兆円に増額する金融緩和の調整措置が決定された。また当該措置の発表後、外国為替市場では対ドルで急速に円高が進行した。
以上の事象を踏まえた結果、株価リターンモデルでは引き続き"売り"のシグナルを確認。一方、日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより低い水準まで下落。これに伴い、12/20(火)日中にファンドポジションについて、売り(ショート)を維持しつつもレバレッジを1倍から0.25倍に縮小。
12月の当ファンドは、11月の相場上昇の原動力となった海外投資家の現物株の買い越し姿勢に陰りが見え始めたことを確認しつつ、FOMC、ECB両会合の結果を受けて売りポジションに転じました。また日銀会合後も相場急落を受けてレバレッジを縮小したものの売りポジションを継続しました。その結果、当ファンドの月次トータル・リターンは+3.92%となりました。

当サイト内の投稿は投資家の皆様にできる限り早く正確なファンドの情報をお伝えすることを主な目的としております。許容レバレッジや対象商品の保有期間、その他前提条件が異なる場合はとるべきポジションは自ずと異なるため、その他の閲覧者様におかれましては安易なポジションの複製はお控えください。当ファンドにとって重要なマクロ事象の突発的な変化が生じた場合には、当サイト内の最新の投稿が必ずしもファンドのリアルタイムのポジション及びレバレッジを表さない可能性があります。また如何なる投稿記事も特定の商品の売買を推奨するものではありません。