マンスリーレポート(2022年11月) - エニグマ1号ファンド

マーケット概況

11月の日経平均は、緩やかな上昇となった。

序盤は米国で公表された雇用関連指標(雇用動態調査、新規失業保険申請件数)において労働市場の堅調な推移が示されたことや、連邦公開市場委員会(FOMC)の声明においてパウエル議長が利上げの一時停止を検討するのは「非常に時期尚早」と述べたことで、米連邦準備理事会(FRB)が長期間利上げを継続するという懸念が高まり、株価は下落した。

しかし11/10公表の10月の米国消費者物価指数(CPI)の伸び率が鈍化したことで、FRBが利上げペースを減速させるとの観測が高まると、利上げによる景気後退懸念が弱まり、株価は上昇に転じた。

終盤は、中国における新型コロナウイルス感染拡大を受けて同国経済の先行きに慎重な見方から株価の上げ幅は縮小した。

月次でみると日経平均は+1.4%、TOPIXは+2.9%の上昇となった。

当月のポジション推移及びパフォーマンス

当ファンドの11月のポジション推移及びパフォーマンスは以下の通りとなりました。

[11/11(金)]11/3(金)早朝にFOMCにおいて0.75%の利上げが決定された。その後の声明にて、パウエル議長は長期の利上げ継続の可能性を示唆した。また、夜間公表の米ISM非製造業景気指数は約2年半ぶりの低水準となった。11/9(水)米議会中間選挙の結果、下院において野党の共和党が過半数を獲得する可能性が濃厚となった。11/10(木)1ドル146円台から140円台まで一気に円高が進行した。

以上の事象を踏まえた結果、株価リターンモデルでは引き続き"売り"のシグナルを確認。一方、日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより高い水準にまで上昇。これに伴い、11/11(金)にポジションをショート(売り)に維持の上、レバレッジを0.25倍から1倍に変更。

[11/25(金)]11/22(火)~23(水)夜間、11月の欧州の景況感指数(PMI、消費者信頼感)が市場予想を上回る結果となった。11/25(金)夜間、中国人民銀行(中央銀行)が銀行の預金準備率を25ベーシスポイント(bp)引き下げることを公表した(およそ5,000億元の長期流動性が供給される)。

以上の事象を踏まえた結果、株価リターンモデルでは"買い"のシグナルを確認。一方、日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより引き続き高い水準で推移。これに伴い、11/25(金)夜間にポジションをロング(買い)に変更し、レバレッジを1倍から0.25倍に変更。

11月の当ファンドは、対ドルでの急速な円高方向への為替変動や低調な米景気指数などを受けてショートポジションを継続していましたが、海外投資家の売買動向や欧州・中国におけるマクロ面の下支え要因を受けロングポジションに切り替えました。その結果、当ファンドの月次トータル・リターンは▲1.66%となりました。海外投資家の現物株の買い越し基調が11月の相場上昇の原動力となったものと思われますが、欧米の景気後退懸念がくすぶる中、日米欧中銀会合を控える12月以降も買い越し基調が継続するか注視してまいります。

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