マンスリーレポート(2022年10月) - エニグマ1号ファンド
マーケット概況
10月の日経平均は、大幅な上昇となった。
序盤は先月の大幅下落に伴う割安感からの機関投資家による買い、及び米国の悪い経済指標(ISM製造業景気指数、雇用動態調査)に伴う米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ姿勢の緩和への期待から株価が上昇し、27,000円台前半まで回復した。
中盤においては、堅調な米国の9月の雇用統計によるFRBの積極利上げ姿勢継続懸念の再燃や、米政府による中国向け半導体装置輸出規制の強化やロシア・ウクライナ情勢の悪化といった地政学リスクの顕在化により、再び27,000円を割り込む局面もあった。
しかし終盤は、日本、及び米国において開示が始まった想定よりも底堅い22年第3四半期(22年度第2四半期)決算を受け、企業決算を巡る楽観的な見方、企業収益から見た株価の割安感から再び上昇トレンドとなった。
月次でみると日経平均は+6.36%、TOPIXは+5.09%の上昇となった。
当月のポジション推移及びパフォーマンス
当ファンドの10月のポジション推移及びパフォーマンスは以下の通りとなりました。
[10/28(金)] 10/24週はマクロにおける大きな変化が確認された。10/24(月)に、中国共産党全国代表大会開催により延期されていた中国のGDP等主要経済指標の公表があった。中国経済の悪化が継続していることが確認される一方、これに対する具体的な金融政策・財政政策は示されなかった。10/27(木)夜間には、欧州中央銀行(ECB)による2会合連続となる0.75%の大幅利上げが公表された。併せて約300兆円の貸出条件付き長期資金供給オペレーション(TLTROⅢ)の適用金利(場合によってはマイナス)が主要政策金利の平均値まで引き上げられることが公表された。
株価リターンモデルでは5週間ぶりの"売り"のシグナルを確認。一方、日経平均は依然として株価水準モデルの理論価格レンジより低い水準で推移。これに伴い、10/27(木)の夜間取引から、ファンドポジションをショート(売り)に変更、また、レバレッジを1倍から0.25倍に変更。
10月は、英国の財政悪化懸念を端緒とする金融市場の混乱の緩和や米国の9月CPI発表後の米国株の大幅反発などもあり、景気・企業業績に対する警戒感は引き続き残るものの徐々に下値を切り上げる展開となりました。当ファンドは9月下旬以降ロング(買い)ポジションを継続していましたが、月末に公表された中国共産党人事、金融・財政政策、ECBによる金融引締めの動き等を踏まえ、月末にショート(売り)ポジションへと切り替えました。その結果、当ファンドの月次トータル・リターンは+4.65%となりました。

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