マンスリーレポート(2022年9月) - エニグマ1号ファンド

マーケット概況

9月の日経平均は、序盤、米国の良い経済指標(ISM非製造業総合景況指数)が公表されると米国連邦準備理事会(FRB)の利上げへの警戒が高まり株価が下落し、一方で悪い経済指標(雇用統計)が公表されるとFRBの利上げへの警戒が緩み株価が上昇するという、FRBの利上げ姿勢への思惑から値が一進一退する展開となった。

その後中盤にかけては、米国長期金利低下、原油安、短期的な売られすぎの買戻しといったグローバル要因と、円安基調、新型コロナ水際対策緩和によるインバウンド(訪日外国人)消費への期待といった国内要因の後押しにより、日経平均は9/13(火)に28,600円台まで続伸した。

しかしこの日を境に、夜発表の8月米消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を上回ったことでFRBの利上げが加速するとの懸念が高まり、更に9/21(水)の連邦公開市場委員会(FOMC)における0.75%利上げやパウエルFRB議長の記者会見での積極的な金融引き締め継続の示唆によって、景気後退懸念は更に高まり、株価は大きく下落した。

また英トラス政権が打ち出した大規模な経済対策によるインフレ加速や財政悪化が警戒されリスク回避ムードが高まり、その後イングランド銀行(中央銀行)が英長期国債を購入し、欧米の長期金利を大幅に低下させることで鎮静化を図ったものの、株価下落の一因を担った。

その結果、9月末終値は当月最安値となり、月次で日経平均は▲7.67%、TOPIXは▲6.48%の下落となった。

当月のポジション推移及びパフォーマンス

当ファンドの9月のポジション推移及びパフォーマンスは以下の通りとなりました。

[9/22(木)] 9/19の週は、米国連邦準備制度理事会(FRB)による3回連続となる0.75%の大幅利上げ、日銀会合での金融緩和の今後の長期継続の表明、及び新型コロナ対応金融支援特別オペの中小企業融資(30兆円以上の融資残)の延長といったマクロにおける大きな変化があった。株価リターンモデルでは7週間ぶりに買いのシグナルを確認。一方、日経平均は依然として株価水準モデルの理論価格レンジより高い水準で推移。これに伴い、9/22(木)の日銀会合結果の公表後、ファンドポジションはロング(買い)に変更し、レバレッジは▲1倍から0.25倍に変更。

[9/23(金・祝)] 9/22(木)夜間において、株価リターンモデルでは引き続き買いのシグナルを確認。一方、日経平均は株価水準モデルの理論価格レンジより低い水準まで下落。これに伴い、9/22(木)夜間取引において、ファンドポジションはロング(買い)を継続、レバレッジを0.25倍から1倍に変更。

9月は、米国において8月のCPIが市場予想を上回り、またFOMC後のパウエルFRB議長の会見から積極的な金融引締め姿勢の継続が示唆されたことが、相場の下押し要因となりました。しかし国内では、日銀会合にて新型コロナ対応金融支援策が延長されるなど当面緩和的な金融政策が維持されることが確認されたため、当ファンドはロング(買い)ポジションへと切り替えました。7月末から継続していたショートポジションが功を奏し、当ファンドの月次トータル・リターンは+0.46%となりました。

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