マンスリーレポート(2022年6月) - エニグマ1号ファンド

マーケット概況

6月序盤の日経平均は、円安ドル高進行による輸出関連株の買い、Go Toトラベル再開計画による内需株の買い、6/7に閣議決定予定の政府の骨太方針による経済の下支え期待といった国内要因が、米国の堅調な経済指標(ISM製造業景況指数、求人件数、雇用統計)を受けた連邦準備理事会(FRB)のインフレ抑制に向けた積極利上げによる景気減速懸念を上回り、右肩上がりに28,200円台まで上昇した。

しかし6/9日夜、欧州中央銀行(ECB)会合にてECBが6月末での量的緩和終了、及び7月に利上げする方針を示し9月にも大幅利上げに踏み切る可能性を示したことで、欧州経済減速が世界経済に影響するとの懸念が高まり、更に6/10公表の5月米消費者物価指数(CPI)が市場予想に反して上昇し、FRBがインフレ抑制策の強化を迫られるとの見方が強まったことで、状況は一変し日経平均は下降局面に入り、6/20には節目の26,000円を割り込んだ。

終盤にかけて、割安感からの買い戻し、日銀会合での日銀の大規模金融緩和策の継続決定による景気下支え、米国債利回りの低下に伴う大型成長株への買い、円安ドル高進行による輸出関連株の買いといった複数の影響で、日経平均は一時27,000円台まで回復したものの、月末発表の6月米国消費者信頼感指数が前月から低下し、市場予想も下回ったことでインフレ加速による景気減速懸念が再燃した。更に5月鉱工業生産指数の速報値が前月比7.2%減と、市場予想の0.3%減を大幅に下回ったことで、日経平均は再度大幅に下落した。

月次でみると日経平均は▲3.25%、TOPIXは▲2.19%の下落となった。

当月のポジション推移及びパフォーマンス

当ファンドの6月のポジション推移及びパフォーマンスは以下の通りとなりました。

[6/14(火)] 株価リターンモデルでは引き続き"売り"のシグナルを確認。一方で、前週末6/10に発表された5月米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことにより、米連邦準備理事会(FRB)が秋以降も積極的な金融引き締めを続け米景気を冷やすとの懸念から日経平均が大幅に下落した結果、株価水準モデルの理論価格レンジより低い水準となった。これに伴い、6/13の夜間取引において、ファンドポジションはショートを継続した上で、レバレッジを1倍から0.25倍に変更。

6月は欧米の中央銀行をはじめ各国で利上げの動きが広がる中、海外投資家による大幅な売り越しが影響し相場は大きく下落しました。当ファンドは、割安水準をトリガーとするレバレッジ調整を行いましたが、買いに転じるほどのマクロ環境面の好材料がないとの判断から、ポジションについてはショートを継続しました。その結果、当ファンドの月次トータル・リターンは+1.54%となりました。

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